2010年12月27日月曜日

挑戦的なDAC M2 TECH YOUNG

Hifaceで一躍有名になったイタリアのM2 TECHが、なんとUSB入力で32bit/384kHz対応のDACを12月27日発売する。予想価格は147,000円。

M2TECH YOUNG
M2TECH http://www.m2tech.org/


32bit/384kHz対応の楽曲など存在しないし、今後も出てくるのか予想すらできない。そうした不安に対するM2TECHの”売り文句”がこれだ。

「現状で32Bit/384kHzというスペックで録音された楽曲は存在しないはずです。なぜならば、単純に、32Bit/384kHzのスペックを実現するADC、アナログ-デジタル・コンバーターが存在しないからです。歌声や楽器音をマイクで拾い、デジタル録音するためのADCがまだありません。」

「しかし、増え始めてきている24Bit/192kHzの楽曲を再生する際に、DACのスペックが24Bit/192kHzで再生するよりも、32Bit/384kHzのDACで再生した方が音が良いであろう事はhiFaceシリーズだけでなく、他社製品でも現れています。」
→ どのくらい高音質なのか?アナログレコードを凌ぐくらい?

「ましてやICも日進月歩で進化する今、32Bit/384kHz対応のADCが登場し、32Bit/384kHzで収録された楽曲が登場した時、24/192のDACでは音の良し悪し以前に再生することさえできなくなります。」
→ それは心配ないと思う。

現状では、24bit/96kHzが圧倒的な主流で、24bit/192kHzはまだまだ少ない。当面マーケットでは、CDレベルの16bit/44.1kHzから24bit/96kHzへの移行が進んでいくものと思われ、同時に24bit/192kHz化も差別化戦略として検討されるだろう。

しかし、ファイル容量の巨大化も問題になると考えられ32Bit/384kHz化はそう簡単ではない。まずは、24bit/96kHzのマーケットにおける成功が大前提だ。その成功を土台に次は、24bit/192kHzの成功があって初めて、32bit/384kHzというとてつもないスペックが登場することができる。

それまでには、相当の時間がかかるだろう。そんなに待てないというユーザーのために24bit/192kHzよりも32bit/384kHzで再生した方がいい音がすると言っているが、24bit/96kHzでも十分に高音質なのだから、それを凌ぐ高音質効果がないとユーザーは動かないだろう。例えば”アナログレコードの音を遙かに凌ぐもの凄い高音質!”などだ。

素晴らしい装置だと思う。日本のメーカーではとてもできない冒険だ。しかし、アナログレコードを上回る高音質というくらいでないと、Hifaceのような販売を期待することは難しいだろう。

だが、こうした冒険や挑戦が後々の競争に打ち勝つ重要な要素であることも否めない。これが売れなかったからといって喜んでいるようでは、日本のメーカーは危ない。日本のメーカーももっともっと挑戦的な商品を出して、自ら市場を切り開いてほしいと切に願う。

2010年12月24日金曜日

2010年のラステームの新製品

1月 USB ヘッドホンアンプ「RDH20」(USB 24bit/96kHz)

4月 USB D/Aコンバータ「UDAC192(USB 24bit/96kHz)


11月 USB デジタルアンプRUA220(USB 24bit/192kHz)

12月 USB アイソレート・コンディショナー・ハブ「AUI-12(USB 24bit/96kHz)

12月 USB D/Dコンバーター「RUDD14(USB 24bit/192kHz)


以上のように、ラステームは今年に入って矢継ぎ早に新製品を投入。商品ラインナップが揃いよいよPC-オーディオメーカーとしての地盤ができつつあるように思われる。

「RDA-520」等の先進的なデジタルアンプで業界を席巻してきた新進メーカーだけに、ヘッドホンアンプ「RDH20」DAC「UDAC192」がUSB 24bit/96kHz止まりだったのは残念であった。

しかし、デジタルアンプ「RUD220」でUSB 24bit/192kHzに対応し、ついに最先端に躍り出たかと思いきや、次の、USB アイソレート・コンディショナー・ハブ「AUI-12」は、非常に高音質な製品であるにも関わらず、そして大事なつなぎ装置であるにも関わらず、USB 24bit/96kHz止まりであったのは、非常に残念であった。

そして、ようやくDDCが発売された。デジタルアンプで売れてきたメーカーだけに、一番先に出すべきではなかったと思うが、やはり24bit/192kHz対応を目指し遅れたのだと思うことにしよう。遅れたことで、アシンクモードに対応することもできた。これで、ようやく最先端に躍り出たといえよう。海外製品ばかりの中で、ラトックやラステームの健闘は光る。もっと早く出してくれたら、FireFaceUCには行かなかったと思うが、まあ、製品も巡りあわせだから仕方がない。

ラステームの特徴の一つに安くて高音質があったが、今年に入り価格が一気に他社並みになった。以前が安すぎたのだろう。できる限り10万円以下で高品質低価格を実現してもらいたい。これからも期待しています。

ラステーム USB - DDC 「RUDD14」(24bit/192kHz対応)!

毎月のように新製品を投入してくるラステームが、ついにDDCを発売する。USB CLASS 2.0(Hight Speed)、24bit/192kHz対応のDDC「RUDD14」だ。年末の12月27日発売で定価は56,700円。



Asynchronous (非同期式)モードを採用しDDC側でクロックを固定。

クロックには、高精度・常温偏差±1.0ppmのTCXO(温度補償型水晶発振器)を使用し、高サンプリング・高ビットレートの音声データを劣化なく処理するほか、クロックジッターを抑制し原音に忠実でクリアな音質を実現する。

さらに、DDC内でUSBオーディオ信号を絶縁(アイソレート)することで、パソコンからの5V電源リップルノイズを遮断し、無損失デジタルオーディオ(Bit-perfect Digital Audio)で忠実な音を再生する。

USB AUDIO 2.0(High-Speed)に対応、USB入力最大192kHz / 24ビットが可能。Windows XP / Vista / 7は専用ドライバ必要、MAC OS 10.6.3以降のMAC OS標準USBオーディオドライバで稼働。

24bit/192kHz対応でようやく買いたい製品となった。大いに期待したい。

2010年12月22日水曜日

PCオーディオ高音質化への道!

これまでに、様々な高音質化をやってきた。まだまだ足りないとは思うが、このあたりで、これまでの試行錯誤を整理しておこうと思う。

PC/ケース:「AntecのP180B」
堅牢性も十分で、冷却性能、振動防止、静音化で選んだ。

PC/電源:ENERMAX INFINITI-650W」
発売当時は【80PLUS】認証を取得で話題。冷却性と静性と650W対応で安定した電源供給への信頼性で購入したが、電源の進歩は凄まじく、いまや【80PLUS Gold】の時代だ。そろそろ買い替え時か。

PC/システムディスク:SSD「INTEL X25-M SATA SOLID-STATE DRIVE 80GB」
起動が早く全体的にシステムが安定した感がある。音質的にも安定感が増し、緻密に固まっていた音が、暖かくなって蕾が緩み、中に詰まった音がよく見えるようになった感じになった。

PC/USB増設ボード:「zionote tX-USB」
PCIスロット接続のUSB2.0増設ボード。コントローラーはNECのOHCI方式。バスマスタ転送でCPUに負荷がかからずUHCIより安定したデータ伝送ができ、音質も良いと言われている。ULJC(Ultra Low Jitter Clock)、ULNPS(Ultra Low Noise Power Supply)などの技術でジッターやノイズを軽減、電源入力コネクタにフィルターを付けバスパワー電源の安定化を図っている。

PC/電源ケーブル:自作ケーブルに交換「オヤイデ+マリンコ」

USBケーブル:「WireWorld ウルトラバイオレット」
普通のUSBケーブルと比較してもそれほど高音質とは感じないが・・・。

オーディオインターフェース:「FireFaceUC」
これ最高! 全入出力24ビット/192kHz対応の高品位AD/DAC。デジタル・アナログ入出力計36Ch。何より驚くほどの超高音質。SACDやDVD-Aのマルチチャンネルを聴くにも重宝している。

FireFaceUC電源:YAMAHA「PA-6」(自作ケーブルに交換)
付属のACアダプターではなく、トランスを使ったヤマハのキーボード用の電源を、ケーブルを自作ケーブル(ベルデン、オヤイデ、マリンコ)に交換して使用。

2010年12月19日日曜日

DVD-Audioをリッピングする!

DVD-Audioについて、これまで、ユニバーサルプレーヤーで再生した音声をFireFaceUCで録音する方法と、Foobar2000で再生する方法を試してきた。

今後は、DVD-Audioをデジタル・リッピングしてみた。

ユニバーサルプレーヤーを使わずに、PCのファイルを選択するだけで再生できる。しかもデジタル・リッピングなのでDVD-Audioのディスクと全く同じ高音質。Foobar2000を使って気軽にDVD-Audioと同等のマルチチャンネルの高音質楽曲を楽しめる。

非常に便利であり、ぜひともお勧めしたい。


① Foobar2000でリッピング(convert)する

Foobar2000だけでできる。非常に簡単。お勧め。
リッピングする前に、DVD-Audioを再生できるようにしておく。
*参考 DVD-Audio をFoobar2000で聴く

File  -> Open -> DVD-Audioのドライブを選択する  

 AUDIO_TS フォルダーの中のAUDIO_TS.IFO を開く

DVD-Audio内の楽曲が全て表示される
ここでは96kHz/24bit/6chの7曲を選ぶ

Playlist の上で右クリックで CONVERT  ・・・ を選ぶ

Output Format で WAV FLAC などを選択する
Destination で 出力フォルダーなどを設定する
Cnvert ボタンを押すとリッピング(convert)開始

リッピング(convert)中
終わると出力フォルダーに96kHz/24bit/6chのWAVファイルが出来ている


② DVD Audio Extractor でリッピングする

Foobar2000を使わずにリッピングできる。
非常にシンプルでわかりやすく、しかも簡単にできる。
DVDAudioExplorerやDVDImageripperよりも簡単で使いやすい。
ただし、有料 $29.95。

購入サイト 試用期間は30日

ダウンロードファイルをインストールし
ディスクトップにできたアイコンをクリックすると起動する
試用ならRegister Later を押す

ディスクの入ったドライブを選ぶと画面に全楽曲が表示される
Title1 は MLP 96kHz/24bit/6ch
Title2 は LPCM 96kHz/24bit/2ch
Title3 は LPCM 44.1kHz/16bit/2ch
NEXT ボタンを押す

Output formatは以下の6通りある
「Qgg Volbis」「MP3」「PCM Wave」「FLAC」「Direct Stream Demux」「CD Imege and Cuesheet」
選んだタイトルの録音情報を元に Sample Rate  Channnels Bit per sampleを選ぶ
NEXT ボタンを押す

出力先を選ぶ
NEXT ボタンを押す

Start ボタンを押すとリッピングを開始する
終了すると、出力先にリッピングされたファイルができている



2010年12月18日土曜日

ついに原因判明!

しかし、納得いかない。「クリムゾン」が聴けてなぜ「Gaucho」が聴けないのか?

そこで、音楽や映像に関するソフトを一つ一つアンインストールしながら再生の可否を確認してみることにした。

PowerDVD Ultra9、DVD2ONE、PIXELA/StationTV、どれも関係なし。うーん。他にはJRMCがあるが、これはThinkPadでもインストールされていて問題なかったから関係ないと思うし。何か、他にないか探していると、、、

ふと気がついた。そういえばAnyDVDが常駐している。もしや!

即、終了させて、聴いてみると、なんということだ。音が出た!

犯人はAnyDVDだった!まさかAnyDVDとは思わなかった。でもよく考えて見れば、常駐してDVDを監視しているわけだから怪しいといえば一番怪しいソフトなわけで、真っ先に疑うべきだった。

それにしても、犯人がわかってよかった。これで、心置きなくDVD-AudioをFoobar2000で聴くことができる。あー疲れた。「Gaucho」でも聴こう!

なんとまた「Gaucho」がFoobar2000で再生できなくなった!

Windowsをクリーンインストールして、「Gaucho」が聴けたので、大量のアプリケーションソフトを再インストールし、大方の作業が終わりほぼ再インストール前の状態まで戻した。

そこで、ちゃんとDVD-AudioがFoobar2000で聴けるか確認してみた。「クリムゾン宮殿のキングクリムゾン」は当然OK、そして「Gaucho]。 むむむ、、、まさか! なんということだ!またも再生できなくなっている(涙) 

前と全く同じ症状だ。OS再インストールは一体なんだったんだろう。どっと疲れが出てきた。もうパソコンはこれだから疲れる。しばし休憩。

2010年12月17日金曜日

DVD-Audio Foobar2000で再生できない?

Foobar2000で、King Crimsonの「クリムゾン・キングの宮殿」(DVD-Audio)のマルチチャンネルを、気持ち良く聴いていた。

続けて、先日Amazonでぽちったスティーリー・ダンの「Gaucho」(DVD-Audio)が届いたので、早速再生してみる。

ところが大変な事態となった。なんとマルチチャンネルは全く音性が出力されず、2Chは全帯域で出力がピークで振り切れ「ガー」というノイズ音しか出てこないのだ。全身から血の気が引いた。

「クリムゾン・キングの宮殿」は再生できるのに「Gaucho」は再生できないなんてことがあるはずがない! なぜ音がでないのだ?

DVD-AudioにはCPPMというコピーコントロールがかかっているが、「クリムゾン・キングの宮殿」は解除できて「Gaucho」は解除できないということなのだろうか?

そこで、CPPMを解除したりDVD-Audioをリッピングしたりする各種ユーティリティソフトを使ってCPPMを解除してみた。

・まず「DVD Audio Extractor」は、DVD-AudioをWAVにリッピングできるソフトだが、読み込みは可能だが、WAVにリッピングしたファイルも、同じような症状で再生はできなかった。

・次に「DVD Audio Explorer」も、DVD-AudioをWAVにリッピングできるが、これも同様に再生はできなかった。

・最後に「DVDImageRipper」は、DVD-AudioをCPPMを解除してISOファイルにリッピングしてくれるが、できたISOファイルはやはり再生できなかった。

いずれのツールを使っても「Gaucho」を再生することはできなかったということは、CPPMの問題ではなく、単に、自作PCの問題という線が濃厚となってきた。

そこで、Foobar2000の再インストール、バージョンを古いものに変えたり、FireFaceUCのドライバーの再インストーなど、その他あれこれ散々やってみたが、全く状況は改善しない。残るはWindows7の再インストールしかないのか?

そこでOSを再インストールする前に、ノートパソコン(Lenovo ThinkPad X60)にFoobar2000とFireFaceUCの環境を構築し「Gaucho」を読み込んでみた。

すると、なんと、いとも簡単に再生するではないか!しかも、予想以上の高音質で!

ということは、間違いなく自作PCの問題だ。Windows7のどこかが壊れているのだろう。それを突き止めるのは素人では無理だし時間の無駄だ。すっきりWindows7を再インストールすることに決めた。

一応、NortonGhostでバックアップを取ってから、再インストールを開始。Windows7のインストールは以前のWindowsに比べて非常に高速だし、自作PCのシステムドライブはSSDなので、あっと言う間にクリーンインストールが終了。

急ぎ、Foobar2000とFireFaceUCの環境だけ構築し、早速「Gaucho」を再生してみると、何事もなくDVD-Audioのディスクから音声が再生された!

しかし何故「クリムゾン・キングの宮殿」は再生できて「Gaucho」は再生できなかったのか、その謎は分らずじまいだった。

しかし、これがPCだ。突然、意味不明のエラーが起きるのだ。そんな時は、ちまちま原因を究明してもほとんど時間の無駄に終わることが多い。大まかにやるべきことをやったら、潔く、バックアップをリストアするか、OSをクリーンインストールするのが原則だ。その為に、普段から、コマ目にバックアップを取ったり、データを別ドライブにしっかりと分離して保存しておくことが重要だ。

なお、久しぶりに自作PCをクリーンインストールし非常にすっきりしたので、余計なものはインストールせず、音楽再生を優先した環境にして見ようと思う。

2010年12月16日木曜日

DVD-Audio をFoobar2000で聴く

DVD-Audio をマルチチャンネルで再生するには、ユニバーサルプレーヤー、AVアンプ、5.1chサラウンドスピーカーなど、かなりの再生環境が必要になる。

また、これをパソコンで再生しようとしても、CPPMというコピーコントロールが仕込んであって、再生することはできない。当然、コピーやリッピングも不可能だ。

ところが、Foobar2000を使えば、DVD-Audioの再生はもちろんリッピングもコピーも可能になる。ユニバーサルプレーヤーがなくても、パソコンでDVD-Audioが再生できる。

これは、Foobar2000の「DVD-Audioプラグイン」で可能になる。ダウンロードして中の「foo_input_dvda.dll」と「SRCフォルダー」を、¥Foobar2000¥components¥にコピーするだけでOKだ。

マルチチャンネルで聴きたい場合は、さらに、ASIOプラグイン 「foo_out_asio.dll」を入れて、ASIOの設定画面で、Anarog1,2,3,4,5,6に
Lf,Rf,Cener,LFE,Ls,Rsを指定すればOKだ。

詳しくはシンタックス・ジャパンのスタッフ・ブログを参照
http://synthaxjapan.blogspot.com/2010/01/dvd-audio.html

DVD-Audio はどこへいく?

最近は、高音質楽曲の配信サイトが人気で、24biti/96Khzのハイレゾ楽曲が気軽にダウンロードできるが、その元祖ともいうべきはDVD-Audioだ。しかし、ユニバーサルプレーヤー、AVアンプ、6個のスピーカーなど、誰もが気軽に聴けるものではなく、大変な高音質であるにもかかわらず、全く普及せず、SACDとも市場を食い合いし、忘れ去られていった。

市場が縮小しもはや絶滅寸前のDVD-Audioであるが、媒体の希少価値により、有名アーチストのものが驚くべき高値で取引されている。まあ、これでひと儲けしてやろうという業者も多いだろうから仕方のないことであるが、

・Eagles「Hotel California」→ 中古17,860円
・Yes「Fragile」→ 新品14,273円、中古9,882円
・Emerson, Lake & Palmer「恐怖の頭脳改革」→ 中古12,372円
・Led Zeppelin「How the west was won」→ 新品21,974、中古12,000円

といった感じだ。まあいずれも超有名貴重盤だから手元に持っておきたいとは思うが、おいそいそれとポチることはできない。ただし、QUEEN「オペラ座の夜」などほぼ定価で売っているものもあるので、そういったものを探して今のうちに買っておいたらいいかもしれない。

先日、HDtracksで、スティーリー・ダンの「Gaucho」を発見した。FLAC/24bit/96kHz(2ch)で$17.98(約1,500円)とほんとに安い。一方、Amazonでは「Gaucho」のDVD-Audioを1,823円で買うことができる。こちらも5.1ch/24bit/96kHzだからお買い得だ。

ダウンロードするかAmazonでディスクを買うか迷うところだが、DVD-AudioやSACDなどの媒体が適正な価格で販売されているなら、媒体を買った方がいいかもしれない。ダウンロードはいつでもできるし価格も変わらないが、(更に円高が進めばもっと安くなる)、媒体は安いうちに買っておかないと値上がりするかもしれないからだ。

それにしても高値のDVD-audioの価値は、あくまでも希少な実物DISKの価値であって、中身の楽曲自体の価値ではないことは明らかだ。中身の価値はあくまでも定価であるはずだからだ。

多くの人が欲しがる稀少な「物」が値上がりするのが「市場原理」であるから、文句をいうつもりはない。

しかし、ここで思うのは、デジタル配信サイトの存在だ。サイトでダウンロードできるのは「物」ではなく、デジタルデータだ。どんなに沢山の人がダウンロードしても永久に品薄になったり廃盤になったりすることはなく、常に同じ価値でそこに存在する。良いか悪いかは別として、これは市場原理を根底から覆す危険性を孕んでいるような気がする。

HDtrockのような配信サイトが、DVD-Audioと同じ高音質のアルバムを1,500円でどんどん配信を始めたら、楽曲を聴きたい人は喜んでダウンロードする。

それでも、高値のDVD-Audio diskは、現物の稀少性から価格低下に見舞われることはないだろう。

2010年12月10日金曜日

やっぱハイレゾは違う! キースジャレット「ケルンコンサート」24bit/96kHz

HDtracks
https://www.hdtracks.com/index.php?file=catalogdetail&valbum_code=HD602527585901

HDtracksのアルディメオラ「Flesh On Flesh 」が余りに素晴らしかったので、トップページで紹介のキースジャレット「ケルンコンサート」24bit/96kHzもダウンロードしてみた。

値段は、同じ$17.98 これだけのハイレゾ音源がなんとCDより安い1,500円程度で買えてしまうんだからびっくり。円高も捨てたもんじゃない。ちなみにAmazon.co.jpでCDは1,781円。

CDリッピング音源を聴いていたときは、奇麗で澄んだ音源というイメージはあったが、ややインパクトが弱くまた聴きたいとは思わない楽曲だった。

しかし違う! あまりに違う! 違いすぎる! こんなにも違うなんて!

最も違うのは、キースジャレットの演奏に対する凄まじいまでの意気込み熱気が恐ろしいまでに伝わってくるところだ。全く弱々しくなんかないどころか、危機迫る力強さが伝わってくる。全身全霊でピアノを弾くキースジャレットの神憑り的なパフォーマンスを手に取るように感じることができる。

こんな楽曲だったのか! こんな演奏だったのか!

あまりに素晴らしい演奏にしばし感動してしまった。24bit/96kHzの音源がこんなにも感動を伝えてくれるとは思いもしなかった。アルディメオラも凄かったが、こちらはライブ演奏だからその会場にいるかのような錯覚さえ覚える。

こんな素晴らしい演奏を完全即興でやってのけたキースジャレットを今更ながらに見直してしまった。

やっぱハイレゾ音源は違う!

やっぱハイレゾは違う! アルディメオラ「Flesh On Flesh」96khz/24bit 

HDtracks

久しぶりにHDtracksを覗いたら、アルディメオラの「Flesh On Flesh」の96khz/24bit、FLACファイルが$17.98でダウンロード可能となっていた。
元々、2002年にSACDで発売されたアルバムで、DSDマルチで録音されており元の音源は最高だ。

もう全く素晴らしいの一言だ。16bit/44.1kHzのCDリッピング音源とはまるで違う。全く違う。高音、中音、低音いずれも音が太く解像度も高く新鮮で響きも違う。音楽に感動してしまう。アーチストの技術や音楽性やその演奏の真剣さまでが伝わってくる。こんな音源を聴いてしまうともはやCDには絶対に戻りたくなくなる。

この音源を聴いていると、CDの販売が落ちているのは、CDの音が視聴者を感動させられないからではないかと思ってしまう。きっと、この高音質な24bit/96kHzの音源を聴けば、誰もが必ずもう一度音楽を聴いてみたいと思うようになるのではないかと思う。

それほどハイレゾ音源の力は凄い。


P.S.

以前から「エレガントジプシー」を24bit/96kHzで聴いたみたくてしかたないのだが、CDでも一部の音が破たんしていて元の音源が悪そうだから難しいかもしれない。それでも聴きたい。無理ならレコードから24bit/192kHzあたりで録音するしかないかな。

2010年12月8日水曜日

QNAP メディアプレーヤー「NMP-1000P」発売!

NASで評判のQNAPが、マルティメディアネットワークプレーヤー「NMP-1000P」を12月10日に発売する。


HDMI出力も装備し、ビデオ映像や音楽ファイルの再生が可能だ。しかもHDDの追加が可能でNASにもなってしまうという進化形だ。PCとも直結できるので、NASもルーターも不要となる。

DACチップはWolfsonのWM8524を搭載し、24bit/192kHzの再生が可能。DACとNASが本体で直結しているので無駄がなく高音質が期待できる。価格も35,800円前後と非常に安く、安価にネットワークオーディオを構築することができる。



通常 【NAS】--LAN--【ルーター】--LAN--【ネットワークプレーヤー】---【AMP】

本件 【NMP-1000P】---【AMP】
_   (NAS内臓)

本体には何のボタンもなく、操作はリモコンで行うが、TVの接続が必須だ。

本件 【NMP-1000P】---【AMP】
___ ↑  ↑ ↑
_  PC直結 リモコン、TV 

PCオーディオ ネットワークオーディオ MPD

PCオーディオは、PCで再生した音楽を外部のアンプで聴くのが基本だ。しかし、最近は様々な形態のものが登場しなんだか混乱してしまう。ネットワークオーディオは何と言ってもLINNが切り開いた分野だ。MacのAirMac Expressもネットワークオーディの一種だ。
現在の発展形は大きくわけて以下の3パターンある。それぞれについて簡単に見ていく。

① PCオーディオ(主流◎)

【PC】--USB--【DDC,DAC】----【AMP】
_再生

最も一般的なPCオーディオ。接続も簡単。USB転送のノイズやジッターが課題であるが、最近は、アイソクロナス転送方式のアシンク(非同期)モードでこの問題を解決するなど、USB転送に関する技術は進歩しており、USBデバイスの高音質化が進んでいる。USBケーブルやDDC,DACも豊富に供給されている。PCオーディオの王道であり、決して入門編ではない。


② PCオーディオ+MPD(マニア向け▲)

【PC】--LAN--【PC】--USB--【DDC,DAC】----【AMP】
_命令     再生

_Win Mac         Linux
_MPD(Client)   MPD(Daemon)

PCの機能を音楽再生に必要な機能に徹底的に搾りあげると高音質になるという原理を発展させたもの。普段使用しているWindowsやMacPCの再生命令ソフト(MPD Client)から、音楽再生機能(MPD)のみに搾りあげられたLinuxPCに音楽再生命令が送られると、音楽が再生される。LinuxPCは電源を入れて立ち上げておくだけで一切の操作は不要だ。驚くほど高音質と言われている。
ただし、Linuxやネットワークの知識が必要で、ほとんどの人には余りにもハードルが高い。しかも、Linuxに対応しないUSB-DDCやDACも多い。特に独自ドライバーを使った24bit/192kHz対応のものはLinux用ドライバーはほとんど用意されていない。


③ ネットワークオーディオ(今後の主流◎)

【NAS】--LAN--【ルーター】--LAN--【ネットワークプレーヤー、AMP】
___________________再生


_↑                                      ↑
_PC                                        iPhone 

これは、LINNがネットワークプレーヤー「DS」で開拓してきた分野。楽曲をNASから直接、LAN経由で取り込みDS内部のDACでアナログに変換しアンプに繋ぐ。「DS」にアンプ機能を加えたものが「DS-I」。NASへの楽曲データの補給はPCで行い、ネットワークプレーヤーを「iPhone」でリモートコントロールすることもできる。ノイズの巣窟と言われるPCを通らずデータ補正のないUSB転送(アイソクロナス)を使わず、データ補正機能のあるLANでバイナリーデータを直接ネットワークプレーヤーに運び、FIFOバッファを介してDACするので、ノイズやジッターの発生を抑え高音質の再生が可能となる。
ネットワーク技術の進歩で、PCやNASやルーターを、素人でもただ単に繋ぐだけで認識させることができるようになったことで、今後急速な普及が見込まれる分野。
国内メーカーのPCオーディオへの対応が遅れているようにみえるが、実は、各社がデジタルテレビの普及に合わせ、DVDやブルーレイのマルチチャンネル再生装置として熾烈な競争を繰り広げている「AVアンプ」がネットワークに対応することで、ネットワークプレーヤー兼アンプとして急浮上している。オーディオマニアは、DS-Iを買うかも知れないが、一般の家庭には、デジタルテレビとAVアンプの可能性の方が高いように思われる。
今年後半になり、マランツやヤマハなどがようやくネットワークプレーヤー分野に進出してきた。価格も低価格であり、今後、さらに製品が充実していくものと思われる。

①のPCオーディオと③のネットワークオーディオ、どちから安くて高音質な装置やシステムを提供してくれるか、今後がほんとに楽しみである。