2017年4月26日水曜日

ΔΣ変調DACの仕組み

ΔΣ変調DACとは、簡単に言えば、
(1)まずは、入力されたデジタル信号(PCM)のノイズを除去し、
(2)次にこれを1ビット信号(PDM=DSD)に変換し、
(3)最後にLPFに通してアナログ信号に変換する。
入力信号がDSDであれば、(1)(2)をスルーして(3)のLPFのみ通してアナログ信号に変換する。

(*ここに記載した内容は、自分の備忘録であり、間違っているかもしれないのでご注意願います。)

(1)ノイズの除去
PCMのノイズ除去には、オーバーバーサンプリングと補完フィルターが使われる。

折り返し雑音
デジタル信号のサンプリング周波数の1/2の周波数をナイキスト周波数という。信号を標本化する際、ナイキスト周波数を超える周波成分は、折り返し(エイリアシング)という現象を起こし、サンプリング周波数の整数倍の周波数で、再生しても元の信号に戻らない折り返し雑音(エイリアス=偽信号)となって現れる。

折り返し雑音の除去
折り返し雑音を除去(アンチエイリアシング)するには、ローパスフィルター(LPF)を使ってナイキスト周波数を超える高周波成分(=折り返し雑音)を除去すればいいのだが、そのままだと元信号の周波数と折り返し雑音の周波数間の間隔が狭い為、傾斜がかなり急峻な高精度のLPFでないと使えないという問題が出てくる。

オーバーサンプリング
そこで、オーバーサンプリング手法を使って元信号のサンプリング周波数を十分に高くしてやると、元信号のサンプリング周波数と折り返し雑音のサンプリング周波数との間隔が大きく広がり、傾斜の緩い簡易なLPFでも十分に折り返し雑音を除去できるようになる。

オーバーサンプリングとは、元信号(例えば44.1KHz、16bitの信号)に、目的の周波数に応じた値0の信号を追加(補完)することを言う。オーバーサンプリングの周波数が高いほど(倍率が高いほど)アンチエイリアシングの精度は増す。実際にはナイキスト周波数(サンプリング周波数の1/2)の160倍(3.528MHz)以上である。

補完フィルター
オーバーサンプリングされた信号には、補完データをサンプリングした際の量子化ノイズのエイリアシングが残っており、LPFでこれを除去する。この時使われるLPFを補完フィルター(Interpolation FIlter)またはアンチエイリアシングフィルターという。

(2)PDM変換
実際には1ビット(DSD)ではなくマルチビット(3~5bit)のPDM信号に変換される。

PDM(パルス密度変調)
PDMは、アナログ信号の振幅をパルスの粗密(出現率)で表すものでパルス密度変調と呼ばれている。PDMはパルス波=デジタル信号であるが、同時に、パルスの粗密でアナログ信号の振幅を表すアナログ成分も内包している。よってPDMにLPFをかけるだけでアナログ信号を取り出すことができるのである。

ΔΣ変調器
ノイズ除去後の信号は、いよいよΔΣ変調器に通されてPDMに変換される。ΔΣ変調器は、加算器、積分器、量子化器、量子化誤差の帰還回路からなり、積分した信号を量子化器で1ビットもしくはマルチビットのPDMに変換する。ここで、量子化誤差を加算器に帰還させると、補完フィルターで除去しきれなかった、広い帯域に一様に分布している量子化ノイズを、高周波帯域に集めることができる。これをノイズシェーピングという。

(3)アナログ変換
アナログ平滑フィルター(RCF)
ノイズシェーピングされたPDM信号を、LPF=アナログ平滑フィルター(RCA)に通せば、高周波帯域のノイズが除去され、アナログ電圧として出力される。

以上がΔΣ変調DACがデジタル信号をアナログ信号に変換する仕組みである。