2017年9月14日木曜日

フルーエンシープレーヤー

本日、半導体計測屋さんがフルーエンシープレーヤーの販売を開始した。Amazonで買うことができる。



このプレーヤーは、普通のメモリープレーヤーではない。なんと、FN1242Aという半導体DACチップ(ハードウエア)で行っていたフルーエンシー補完を、ソフトウエア(マイコン)で実現した画期的なプレーヤーなのだ。

具体的には、44.1kHzの楽曲を8倍オーバーサンプリングし、フルーエンシー理論に基づいた計算でデータを補完し352.8kHzで出力する。これは、正にFN1242AがDACチップ内でやっていることそのものだ。FN1242Aのあの艶のある音が好きだった人は多い。

半導体計測屋さんも私もその一人だった。FN1242Aの流通在庫が底をつき、もう二度とあの音を聴くことができなくなったと残念に思っていたが、なんと半導体計測屋さんは、密かにこのフルーエンシープレーヤーを開発していたのだ。

*フルーエンシー理論
筑波大学の寅市和男氏が発明した、デジタル情報を補完する技術。44.1kHzでサンプリングされた楽曲データを8倍オーバーサンプリングし、その空いた場所にフルーエンシー理論で計算されたデータを補完するもの。補完により情報量が増し、アナログに近い自然な音がすると評判になった。
日本では、ラックスマンがこの技術に基づいて開発したDACを搭載したDP-07というCDプレーヤを発売、また、新潟精密がこの技術を搭載したDACチップFN1242Aを発売した。
http://www.jst.go.jp/kisoken/seika/zensen/04toraichi/

第一号を先行して送って頂いた。


早速、DACと接続する。赤い本体基板のサイドに接続しているのは、赤外線リモコン基板だ。本来はボタンスイッチを押して使わなければならないのでリモコン対応はありがたい。

信号はI2Sで赤い基板のUEXT端子から出力される。これをDACのI2S入力に繋げばいいのだが、HDMI送信基板が付いていて、DAC側にHDMI受信基板があれば、HDMIで接続できるので、本体をDAC内部に入れずに済み外部に置くことができる。

PSAudioなどHDMI入力(I2S用)端子のある機器であれば、そのまま接続できるが、端子がない場合は、別途、HDMI受信基板を用意し、DAC内部に取り付ける必要がある。取り合えず、DACにHDMI受信基板を接続した。


接続方法
① リモコン基板から突き出ている4つのピンを、本体のボタンスイッチ横の半田部分に接触するように接続する(ネジ穴に合わせて3Mネジで止める)。
② 本体のICSP端子の3.3VとGNDに付属の赤黒のケーブルを繋ぎ、リモコン基板の3.3V,GNDに繋ぐ。
③ 本体のUEXT端子ととHDMI送信基板を付属のカラフルなケーブルで繋ぐ。
④ MicroUSBケーブルで5V電源を繋ぐ。
⑤ HDMIケーブルを、DACのHDMI入力(I2S用)に繋ぐ。

再生方法
① 電源を繋ぐと起動スプラッシュ画面が出る。
② USBか、SDカード入れると、ディレクトリを総ざらいし先頭から再生を開始する。
③ ボタン操作(リモコンも同様)
  左ボタン   前の曲(再生経過時間5秒以下)or曲の先頭(同5秒以上)
  中央ボタン 停止&リジューム&コンフィグファイル生成(黄色点灯)
  右ボタン  停止中は曲の先頭から再開or再生中は次の曲
  最右ボタン リセット
 * WAVとFLAC混在、LEDの光り具合で切替りが判断できる。
 * 文字化けファイル名があると、前の曲ボタンは効かなくなる。
 * 次の曲ボタンは、文字化けファイルを飛ばして次の曲に行く。
④ USBはホットプラグ、ホットアンプラグ可能。
 *タイミングによっては起動画面出ないので、その時はリセットボタンを押す。

仕様
① 対応フォーマット:WAV、FLAC(他形式は無視される)
② フォルダ名、ファイル名共:半角英数
 *先頭6文字が半角英数ならそれ以降は全角漢字混じりもOK
 *フォルダ階層は5階層まで可能
③ オーバーサンプリング
 *WAVは最大8倍オーバーサンプリング(緑点灯)
 *FLACは圧縮率に依存し最大で4倍オーバサンプリング(赤点灯)
④フォーマット:USBメモリーはFAT、MicroSDカードはFAT32。
⑤メモリ容量:最大32GBまで。

*詳細な資料は半導体計測屋さんのブログで
 https://zx900a.blogspot.jp/

さっそく、音出し。

おー、あのFN1242Aの音だ。艶があり、独特の自然さがある音。どこか安心する、聴いていて気持ちが良い音だ。FN1242A好きには堪らないかも。

実は今年の3月あたりに試作機を試聴させていただいたのだが、その段階ではメモリの読み込みなどいろいろ問題があり、音質も今一つだった。

しかし完成品では、問題点は完全に解決され、音質も見違える程に良くなっている。これは、MPU内部PLLマスタクロックをOSC供給に変えたことが大きいとのこと。

取り合えずバラックで音出しをしたが、DACにHDMI受信機を取り付け、本体はケースに入れることにしよう。





アルミ板に固定、DAC改造
 6m厚のアルミ板にタップを切って、プレーヤーを固定した。

 DACにHDMI受信基板を取り付け、セレクターで切り替えできるように改造






19 件のコメント:

  1. ご紹介ありがとうございます。
    なんと、ご紹介いただく前の14:51:06:JSTに一台売れてました!

    リモコン基板電源は、クロック基板じゃなくて、本体のICSP端子から取ったのですね。
    考えもしませんでした。こっちの方が取り回しがイイですね。

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    1. おお、もう売れましたか!マニアックな基板ですが、FN1242Aの音を聴けるのですから懐かしさのあまり買う人が出てくるでしょう!

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    2. お陰様で、19時の時点で4台出ました。
      皆様ありがとうございます。
      初日には1個売れればと思ってたのでうれしい限りです。

      メモリのフォーマットはUSBもSDHCもFAT32対応です。
      需要無いだろうけど一応FAT16も対応します。

      デフォルトのマスタクロック設定が、
      441/48=22/24MHz 882/96-1764/192-3528/384=45/48MHzになってます。
      FLUENCY.TXTが
      2,1,0,1,1,1,XXXX,XXXX:AUTO
      なので
      クロック基板のJP3を2にプラグして
      FLUENCY.TXTを
      2,1,1,1,1,1,XXXX,XXXX:MANU
      に変えて、全サンプルレートで44/48MHzなマスタクロックで聴いてみてください。
      NB3N2302を使わなくなるので、ここで載るジッタが減って、もっと具合が良くなります。

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    3. クロック基板のJP3を2にプラグして
      FLUENCY.TXTを
      2,1,1,1,1,1,XXXX,XXXX:MANU

      確かに良いですね!

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    4. 仕事が早いですねぇ。もう定位置が決まりましたか。

      周波数可変にする為にNB3N2302載せましたが、周波数が44/48固定でよければ
      バイパスした方がPLLによるジッタが載らなくて具合がいいです。

      DAC基板にSi5317が載ってるなら、その高精度なクロック信号を引っ張り出して、
      クロック基板のCN3に繋いで、JP2を1-2に刺してください。
      MPU内部が5317の高精度クロックで動くことになるので更に良くなります。
      これは効きますのでお勧めです。

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  2. マイペース2017年9月16日 10:31

    こんにちは。
    情報ありがとうございます。今、アマゾンで購入クリックしました(笑
    お気楽さんのFN2142AのデュアルタイプDACを持っていますので、この基板と合体させてSDカードプレーヤーとして1ケースにまとめようと思っています。

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    1. マイペースさん
      これなかなか良いですよ!
      フルーエンシープレーヤー → FN1242A の組み合わせって凄すぎますね。

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  3. いつも新しい機器の紹介ありがとうございます。
    今日、Amazonから届き、早速、aitlabo 9018 dacとつないで聴きました。
    SDtransとの比較もしたいと思います。これからも、新しい情報よろしくお願いします。

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    1. ipooさん
      9018との組み合わせも異種格闘技のようで面白そうです。
      また、SDtransとの比較はガチンコ勝負ですね。非常に興味があります。
      感想など聞かせていただけると嬉しいです。

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    2. Amazonのプレーヤー・レコーダー の 「新着」ランキング
      堂々の第一位を獲得しました。一時間ごとに更新なので一時的なモノですが、、、

      皆様のおかげです。ありがとうございます。

      家電&カメラ>オーディオ>プレーヤー・レコーダー の「売れ筋」ランキングは
      marantz のCDプレーヤを抑えて19位です。

      ランキングなんて興味なかったのに、売る立場になって1位になるとうれしいものですね。


      SDTransは、開発着手時点で競合品とみなしていました。
      私自身は聴いた事ないので、iPoo様のご感想、是非お聞かせください。

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    3. フルーエンシー 素晴らしい音です。今までpcオーディオの入力として、古くは、dpat7でのメモリー再生、voyage、volumioでのネットオーディオと試して、SDtransが一番と判断していましたが、SDtransを上回る大好きな音です。特にベースの音は厚みがあり、これからは、フルーエンシーにしようと思います。dacはやなさんのAK4137+AK4497とAitlabo 9038dacで試しましたが、9038の方がソリッドで好みです。SDtransで使っていたカードが使えていいのですが、表示が小さいので、改造できるのでしょうか?電源はPWRで改造しようと思います。クロックについて初心者でわからないので、これからもいろいろ教えて下さい。今回は、素晴らしい基板ありがとうございました。

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    4. Ipoo様
       ご感想ありがとうございます。
       フルエンシー気に入って頂けたようで、うれしい限りです。
       造った甲斐がありました。

       表示器はI2C接続なのですが、パラに大き目のI2C接続LCD繋いでも、固有アドレス指定で書込みしてる為にダメです。
       フランネルレンズ被せるとか、光学的アプローチをご検討ください。

       電源はTPS7A47リニア電源とかお使いいただければ、充分に性能を発揮します。

       クロックについては、先ずは
      クロック基板のJP3を2にプラグして
      FLUENCY.TXTを 2,1,1,1,1,1,XXXX,XXXX:MANU に変更
       をお試しください。これだけでクロックのジッタが減ります。
       SDカードだと書込みが正しくできないので、USBでSTOPボタン押下ください。
       FLUENCY.TXTファイルが生成されます。

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    5. 半導体計測屋 さま

      お返事ありがとうございます。LCDの件、了解です。
      TPS7A47は秋月で売っているものですね。やってみます。
      クロックですがFLUENCY.TXTファイルの書き込みは、どのようにして書き込むんですか?
      お手数ですが、詳しく教えていただけませんか。よろしくお願いします。

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    6.  STOPボタン押せば、USBメモリのルートディレクトリにテキストファイルが造られます。
      パソコンにメモリ差し換えて、ファイルの編集で書きかえてください。
      メモ帳でもワードパットでも、テキストエディタなら何でもいいです。

      XXXX,XXXX は、前4桁がリジューム曲番号、後半4桁がメモリ内の全曲数です。

      レンズはフランネルじゃなくて、フレネルでしたね。間違えて覚えてました。

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    7. メモリ内の全曲数は、再生中に表示器右上に表示してます。

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    8. 半導体計測屋 さま

      詳しく教えていただきありがとうございます。
      FLUENCY.TXTを2.1,1,1,1,1,XXXX,XXXX:MANU, JP3を2にプラグしましたが、
      AIT9038prodacに入力できませんでした。
      でも、2,1,1,1,1,1,XXXX,XXXX:AUTO,JP3を2プラグで、入力でき、90.3Mで同期しDSD1024に変換して聞いています。
      今までにない厚みのある音です。また、音楽を聴くのが楽しくなりました。
      今回は大変ありがとうございました。

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    9. Ipoo様
       2,1,1,1,1,1,XXXX,XXXX: は、AUTOでもMANUでも、同じ45/49なクロックが出るので、下流側のDACは同じ動きになるはずですが、、、謎ですねぇ。
      2.1,1,1,1,1, 誤
      2,1,1,1,1,1, 正
      でしょうか?
      これならば鳴らない事は有り得るので納得ですが。

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  4. 半導体計測屋 さま

    ご連絡ありがとうございます。
    2.1…はコメント欄に書き込む時のタイプミスです。申し訳ありません。

    USBにSSDHDをつないだら、凄くいい音でした。ご報告まで。

    一つ質問よろしいですか?
    タンデム基板のICCN1とX2をピンヘッダーとピンプラグでつなごうと思うのですが、
    ピンのアサイン番号と一致しません。基板の止め穴は一致するのですが。
    お忙しいところ、申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

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    1. Ipoo様
      ご報告ありがとうございます。
      タイプミスでしたら、謎が残ってしまいました。詳しく調べてみます。

       通常のHDDはダメでしたが、SSDならOKなのですね。未確認でした。
       USBのハブは使えるので、USBカードアダプタ介せばメモリスティックやフルサイズSHHCが使えるのは確認済みです。

       ピン番号は違いますが、信号の並びが一致します。
       タンデム基板はAmaneroCombo384を部品面通しか、半田面通しを合わせて、裏返しに実装するように配置したので、今回の基板と番号は違います。
       今回の基板は、部品面半田面の向きは変えずにそのままの向きで重なります。

       今までタンデム基板で192PCMからDSD512生成で聴いてましたが、シャノンなアップサンプリングでした。
       本プレーヤで384PCMからDSD512生成すると別物で鳴ります。
       タンデム基板でもお楽しみください。同時にHDMIも出せますし。

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